前回に引き続き、青柳啓子さんのベッドルームデザインアイデアのお話。
青柳さんのベッドルームも、やっぱりマンションの一室には見えません。
さて、ここである重要なこと、これをまず言葉にしないと驚いていただけないので最初に言ってしまいます。
この部屋は、梁を見せる天井 (あらわし梁) になってます。
「わー、あらわし梁。かっこいい!」
少し目を右に向けると、窓の外に見える景色。
こぢんまりとした庭に、ガーデンテーブル。フランスでシャンブルドットに宿泊すると、これより少し大きめのテーブルにクロスがかけられて、焼き立てパンにコーヒーの朝食が用意されるんですよね。楽しいです。
と、色々見た挙句に、ふと天井を見なおして
「あれ、そういえば・・・どうして梁がこんな風になっているんですか?」
と気づく。そういえばここ、マンションでした。
シャンブルドットではないんです。
どうしてこんなことができるのか?
実は、ここにも青柳啓子クリエイティブマジックが隠れていました!
梁の土台となる部分のために、窓の上を少し張り出した構造にしています。ここに梁が載って、さらに壁をはり、しっくいを塗る。するとこんなステキな部屋が出来上がるんですね。
しかも、この梁は天井と数十センチはなしてデザインされています。そして、その上からかけられているのが
天蓋 (てんがい)
この天蓋は、ヨーロッパの古城にあるベッドのような大げさなものではありません。
横になったとき、天井や梁が直接見えるよりずっと柔らかい景色がひろがる、そんな気がします。
それに、大きめの真っ白なファブリックのおかげで外光や電球の光が拡散されて部屋全体がほんわりと明るくなる効果もあります。(下の写真1・2参照)
特に手前に下がっている電球を点けた場合、エッジのきついシャープな影ができてしまいます。
エッジがきついと光と影のコントラストが強くなりすぎて、落ち着いた気分になれません。
そこで、白いファブリックの出番です。
拡散されたひかり、そしてファブリック自体のシワが壁に投げかける陰影の自然さが眠気を誘うんですね。