照明がインテリアにとって大切だ、ということはもはや誰も反対する人はいませんね。
とはいえ、照明って難しい。
日本の家は、いつの頃からか蛍光灯を天井に取付け、部屋の隅々まで照らすようになってしまいました。明るい所と暗い所の明暗差が少なく、電気代も安いことから、昭和の頃から好まれてきたのでしょうね。
海外では、今ではLED電球なども普及しているものの、40Wクラスの薄暗い電球(蛍光球)を部屋のそこここに置いて照明を楽しみます。天井から下げるライトと、電気スタンドにシェードをつけたもの(上記写真の真ん中あたりにある傘のついたもの)などが好まれます。
青柳啓子さんのご自宅の照明は、
「暗いところを明るくする」
という照明ではないように感じます。
オレンジ色の電球。
なかでもワット数の小さいも。
ぼんやりとした電球の弱い光で、心地よさを演出しています。
でも、そこで止まってはもったいないんですよ!
照明は照らすばかりが照明ではありません。飾ってあるものを景色の中から浮き上がらせたり、奥行きを際立たせたりするのにも役立ちます。
これは映画の照明用語で、
キッカー
とも呼ばれるんですよ。
キックするもの=キッカー=物の輪郭を背景から蹴りだす
というわけです。
青柳さんのご自宅が夜もフォトジェニックなのは、こんな細かなテクニックを使っているからなんですよ。
是非、青柳さんのようなメリハリのある照明をデザインしてみてくださいね!