今回は、少々難しいお話しを可能な限り噛み砕いてみたいとおもいます。
ファース工法は派手な宣伝広告を行っていませんから、「ファース工法ってなに?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。
そこで、まず「どうやってFAS工法が誕生したか」お話しします。
ファース工法以前
ファース工法を開発した福地建装は、1967年創業。1977年には開発者の地元、北海道の大磯町(元北斗市)に移転し、数々の住宅建設を手がけました。
ところが移転から3年目、建築した住宅にて内部結露が発生しました。
「内部結露」というのは、壁の中で起きる結露で大切な構造体である木材を腐らせてしまう原因になります。
壁の中に湿気を含んだ空気が侵入して、内と外の温度差がある時に発生することは分かっていたものの、どうすれば
家そのものの構造体を脅かす(腐らせる)内部結露を防ぐことができるか?
この決定的な方法を見つけることができなかったのです。
以来、内部結露をなくすための試行錯誤の研究を繰り返しました。
これまでの断熱方法の限界
研究を続けるうち、当時の主流であった壁内で乾燥空気を静止させ断熱性能を保つグラスウールと防湿・気密シートによる気密処理には限界がある、との判断にいたりました。
壁内で乾燥空気を静止??
そんなことを言われても、なかなかイメージできませんよね。
こう考えてみてください。
角材を四角に組んで、その底に板を取り付ける。
ちょうど蓋のないお弁当箱のようなものになります。
そこに綿を詰めて、上に「蓋」を取り付ける。
閉ざされた箱ができます。
この中の空気は、どうなっているかというと、
止まっていますね。
この、綿と空気を閉じ込めたお弁当箱を立てて隙間なくズラッと並べたものが、家の壁だと想像してください。
綿は断熱材(グラスウールなど)です。
これが従来の方法で、今も断熱材が変わっても多くの住宅で 「空気が閉じ込められた状態」 は同じです。
そして、結露が起きるのはこのお弁当箱の中、空気が止まっていることが要因なんです。
どのようにしてファース工法が、壁の中の空気を動かす方法にたどり着いたのか?の前に、完璧な断熱について次の章でお話しします!(^_^)