結露発生から生まれたファース工法(3)茅葺屋根

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第二回目は断熱材のお話をしました。(>> まだ、第一回から読んでいない方はこちら <<

気密をアップして、断熱を正しく施工すると、今度は換気と湿度管理の課題がでてきます。
空気をただ閉じ込めてしまうだけでは汚れた空気を排出できませんし、新鮮な空気を取り込むこともできません。湿度も同じです。三重県に限らず、日本では夏は湿度が高く、冬は乾燥しますから、「調湿」ということがとても大切になってきます。

ファース工法では、温度管理・湿度管理ともに自然の力を借りて行っています。
このヒントとなったのは、日本古来のあの構造、

茅葺屋根 (かやぶきやね)

です。茅は湿度の高い夏場には空気中の水分を吸収して、乾燥する冬には持っていた水分を放出します。茅という素材が意志をもっているとします。
その“茅さん”が

「快適」

と思う湿度は、家にも人にも快適なんです。
でも、ファース工法は 「茅葺屋根」 を採用したわけではありません。
手入れも大変ですし、そもそも消防法や建築基準法などの規制があり、実現は困難です。
それに萱材料が手に入らない、技術をもった職人も簡単には見つかりません。

ファース工法では、茅と同じ作用を持つ素材を探しつづけ、ある素材にたどり着きました。それが、

シリカゲル (スカットール:ファース工法専用品・住宅用)

です。お菓子の中に乾燥剤として入れられていることでおなじみのこの素材は、

「食べられません」

と書かれているため誤解されやすいですが、植物由来・鉱物由来の2種類あり、どちらも安全です。
安全ですが食品ではないので、「食べられません」よ!(^_^;)

さて、このシリカゲル(スカットール)、調湿以外にもすごい機能を持っています。
次回は、スカットールの持つ機能について、お話しますね!(^_^)

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